daikanyama tsutaya
books' concierges recommend 8 magazines vol.2

代官山 蔦屋書店コンシェルジュがおすすめする注目の洋雑誌 Vol.2

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代官山 蔦屋書店コンシェルジュがおすすめする注目の洋雑誌 Vol.2

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books' concierges recommend 8 magazines vol.2

text: momoko kawabata (daikanyama tsutaya books magazine concierge)

10月も残りわずかとなり、だんだんと秋の深まりを感じる頃。新しい季節だからこそ、今まで挑戦したことのないファッションや、出会ったことのないカルチャーに触れる楽しみを味わってほしい。今回も、アートやカルチャー、ファッションなどさまざまなジャンルの雑誌を代官山 蔦屋書店コンシェルジュがピックアップ。ビジュアルはもちろん、ボリューミーなテキストも魅力の8冊は、秋の夜長にぴったり。この機会にぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。

01. seven seven seven No.02

ロサンゼルスを拠点とする気鋭ブランド SEVENTH HEAVEN (セブンス ヘブン) のクリエイティブディレクターであり、ファッションコンサルタント、モデル、スタイリスト、デザイナーなど、マルチな肩書きを持つ、John Ross (ジョン・ロス) が、2022年に創刊したファッション誌。今号は Girls Don’t Cry (ガールズドントクライ) や Wasted Youth (ウェイステッド ユース) など、ストリートシーンで人気を博すブランドのデザイナー VERDY (ヴェルディ) を特集。アートディレクターとして一線を走り続ける彼の取り組みや今後について語ってもらった。さらに、日本出身や日本で活動するアーティストにもフィーチャー。1000部限定なので、気になる方はお早めにチェックを!

02. a magazine curated by sacai

毎号世界的なファッションデザイナーをゲストキュレーターとして迎え、その世界観を探究していく、アントワープ発のコンセプトマガジン。各号デザイナー色が色濃く反映され、ページをめくる毎にそのブランドの世界感に入り込むことができる。最新号のゲストは、sacai (サカイ) の創設者兼デザイナーの阿部千登勢。一流のフォトグラファーたちによって撮影されたポートフォリオでは、俳優の窪塚洋介や忽那汐里などの著名人が、sacai の私物コレクションを身にまとっている。また、「食」のストーリーの三部作『saCOOKBOOK』では、京都の老舗和菓子屋であるとらや、ミシュラン二つ星シェフ成澤由浩、ニューヨーク・ブロンクスを拠点にする3人組のフードコレクティブ Ghetto Gastro (ゲットー・ガストロ) が本号のために制作した料理を掲載。多角的な視点でブランドの魅力を追求したボリュームのある1冊。

03. W Korea Vol.9

2005年に創刊された韓国を代表するファッション誌。文化、ファッション、アート、セレブ、映画のレンズを通してスタイルに関するストーリーなどを特集するアメリカ発ファッション誌の韓国版となる。大きな誌面を効果的に使い、他の雑誌とは一線を画したレイアウトが特徴だ。今号は、世界的 K-POP アーティスト BTS (ビーティーエス) の V (ヴィ) を特集。アルバム『Layover』で待望のソロデビューを予定している彼の意気込み、メンバーへの思いなどが語られた特別なインタビューを掲載。さらに、今年の7月にグローバルアンバサダーに就任した Cartier (カルティエ) とともに、まだ見ぬ底なしの魅力を披露している。

04. KALEIDOSCOPE Issue 42

2009年にミラノで創刊された『KALEIDOSCOPE』は、「大胆で生意気な現代美術誌」を謳うアート誌。その名の通り、万華鏡のように常に新しいものを追い求め、大胆なアートディレクションと、先見性のあるアーティストやイメージメーカーによる現代作品を特集している、革新的なマガジンである。今号は、6種類の表紙を発表しており、海外でも高い評価を得ている映画監督の三池崇史、ジャマイカで最も有名なダンサーの Popcaan (ポプカーン)、イギリスのメンズウェアブランド Martin Rose (マーティン ローズ) が表紙を飾っている。多方面で活躍するクリエイターが集まり制作された1冊は必見だ。

05. Magazine B #94

1冊でひとつのプロダクトやサービスを取り上げ、緻密な取材とインタビューによって、その魅力を深掘りするドキュメントマガジン。同誌は主にブランドマネージャーや、マーケティングに興味のある人をターゲットに、ブランドの隠された感性やその国や地域の文化などを紹介。忖度なしの独自の目線で雑誌作りに向き合う姿勢が伺える。94号目の今回は、1984年の創業以来5代続く家族経営で、世界中に愛好家の多いブランド Barbour (バブアー) にフォーカス。長年にわたり支持を集め、新しい時代ごとにダイナミックにその歴史を重ねてきた Babour の魅力について解説している。

06. DAILY THINGS Volume 2

2020年にパリにて創刊された『DAILY THINGS』は、日常の何気ない風景をコンセプトに掲げたフォトマガジン。今号は、写真家たちが自身の持ち合わせるヴィジョンと向き合いながら、ファンタジーを超えたより深く個人的なテーマを基に制作を行なった。パリを拠点にする写真家 Estelle Hanania (エステル・ハナニア) は、日常的なカントリーハウスの風景を超自然的なものとして捉えた。また、アメリカ人フォトグラファーの Bobby Doherty (ボビー・ドハティ) は、一人の人間として、無邪気な心で感じとった日常生活や風景をスナップした。その他にも、それぞれの写真家のスタイルに沿ったさまざまな日常風景が彩られ、ミステリアスでありながらも感情を揺さぶられる1冊となっている。

07. System Issue 21

2013年にロンドンで創刊された『System』は、その時に最も注目すべきである人物への長編対談を、ポートフォリオとともに掲載しているファッションマガジン。当初はファッション業界人向けに発行されていたが、業界で活躍する人々から提案される最新の流行スタイルが多く閲覧できるため、一般の読者にも愛されている。創刊から10周年を記念した最新号は、ハイファッションの終わりなき成長の象徴として、過去10年間のファッションウィークを特集。現在も業界で活躍をし続けているアートディレクターやデザイナー、スタイリストなど122人にインタビューし、未来に繋げるキーポイントを探っていく。

08. eye-C No.08

ヨーロッパを拠点にしながら、ニューヨーク、ベルリン、ロンドンといった世界各地にいるクリエイターを通じて、その土地で生きる人々のファッションやカルチャーなどを独自の視点で捉え、発信しているライフスタイルマガジン。最新号では、鎌倉のビーチと京都のストリートを舞台に、yoshiokubo (ヨシオクボ) や SOPHNET. (ソフネット)、White Mountaineering (ホワイトマウンテニアリング) などの最新情報を紹介。また、Arnar Mār Jōnsson (アルナー・マール・ヨンソン) が手がけるメンズウェアレーベル RANRA (ランラ) の特集では、「BLACKWALL」のコンセプトで特集記事を作成した。この記事では、スタジオ写真と使われなくなった採石場で撮影された3D スキャンを使用して、デジタル作品と自然のテクスチャーが融合する世界を作り出している。そのほかにも、2022年に清澄白河にオープンしたギャラリー型コンセプトストア FAAR (ファー) を取り上げるなど、充実した内容の1冊となった。