【上映中】 今週のTFP的おすすめ映画
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【上映中】 今週のTFP的おすすめ映画
TFP Recommended Movies
「今、観るべき」「今からでも観れる」映画を週替わりでご紹介。東京都心で公開中の映画を中心に、The Fashion Post (ザ・ファッションポスト) 編集部おすすめの作品を、大型シネコンからミニシアターまでセレクト (毎週火曜更新)。
3月19日〜3月25日
『四月になれば彼女は』
45万部を突破した川村元気の同名ベストセラー小説を映画化。10年にわたる愛と別れを、プラハ、アイスランド、そして東京を舞台に、時間と海を越えて壮大なスケールでラブストーリーを描く。主人公の精神科医・藤代俊を演じるのは佐藤健、現在の藤代の恋人・弥生を長澤まさみ、かつての恋人・伊予田春を森七菜が務める。藤井風が主題歌に抜擢され、柔らかく美しい歌声と日本の映画界を代表する名優たちとのコラボレーションは見逃せない。藤代のもとに伊予田春から唐突に手紙が届き、物語が展開される。ボリビアのウユニ塩湖から出されたその手紙には、10年前の初恋の記憶が綴られていた。弥生が姿を消し、突然終わってしまった2人の愛を辿るように、弥生を巡る旅が始まる。
公開日: 3月22日(金)
監督: 山田智和
出演: 佐藤健、長澤まさみ、森七菜
HP: 4gatsu-movie.toho.co.jp
『コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話』
舞台は、人工妊娠中絶が違法だった1960年代後半から70年代初頭のアメリカ。推定1万2000人の中絶を手助けしたとされる実際の団体「ジェーン」をもとに描いた社会派ドラマ。1968年、シカゴで裕福な家の主婦として生きるジョイは何不自由ない暮らしを送っていたが、2人目の子どもの妊娠によって心臓の病気が悪化してしまう。唯一の治療は妊娠をやめることだと担当医に言われるが、当時の法律で中絶は違法。すべての医者に手術を拒否され途方に暮れる中、ジョイは違法だが安全な中絶手術を提供するアンダーグラウンドな団体「ジェーン」に辿り着く。そして、ジョイは「ジェーン」の一員となり、自分と同じように悩む女性を救うべく奔走する。主人公ジョイを、アメリカの人気ミュージカル映画『ピッチ・パーフェクト』シリーズの Elizabeth Banks (エリザベス・バンクス)、「ジェーン」のリーダー役を Sigourney Weaver (シガニー・ウィーバー) が演じる。名のない女性たちが立ち上がり、権利を得るべく奮闘した歴史を体感してみては。
公開日: 3月22日(金)
監督: Phyllis Nagy (フィリス・ナジー)
出演: Elizabeth Banks、Sigourney Weaver、Chris Messina (クリス・メッシーナ)
HP: call-jane.jp
『ピアノ・レッスン』
ニュージーランド出身の監督 Jane Campion (ジェーン・カンピオン) が、1台のピアノを中心に展開される三角関係を官能的に描いた恋愛ドラマ。第46回カンヌ国際映画祭では、女性監督初のパルムドールに輝いた本作が、30年の時を経て4Kデジタルリマスター版で蘇る。19世紀半ば、エイダという女性は結婚のため、娘のフロラと1台のピアノとともにニュージーランドの孤島に移り住む。口のきけないフロラにとってピアノは大切なものだったが、新しいエイダの夫にピアノを捨てられてしまう。新たなピアノの持ち主は、浜辺で置き去りになったピアノと引き換えに、エイダにピアノレッスンを引き受けるよう提案。仕方なく受け入れるが、2人の間に徐々に愛情が芽生え始める。第66回アカデミー賞では、エイダ役の Holly Hunter (ホリー・ハンター) が主演女優賞、フロラ役を務めた Anna Paquin (アンナ・パキン) が助演女優賞をそれぞれ受賞。映画史に名を馳せた不朽の名作が再登場するこの機会をお見逃しなく。
公開日: 3月22日(金)
監督: Jane Campion
出演: Holly Hunter、Harvey Keitel (ハーベイ・カイテル)、Sam Neill (サム・ニール)
HP: culture-pub.jp/piano
『デューン 砂の惑星 PART2』
日本で2020年に公開され、世界中に旋風を巻き起こした『DUNE デューン 砂の惑星』の続編がリリース。監督は前作同様 Denis Villeneuve (ドゥニ・ビルヌーブ) で、引き続き主役のポールには Timothee Chalamet (ティモシー・シャラメ)、青い瞳を持つ戦士・チャニ役には Zendaya (ゼンデイヤ)、ポールの母親であるレディ・ジェシカ役には Rebecca Ferguson (レベッカ・ファガーソン) がそれぞれメインキャストを務める。さらに今作からは『ミッドサマー』の Florence Pugh (フローレンス・ピュー) や『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の Lea Seydoux (レア・セドゥ) が参加するなど、新たに登場する俳優たちにも期待が寄せられる。物語は、砂の惑星デューンで繰り広げられるアトレイデス家とハルコンネン家の戦い。陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者・ポールが反撃の狼煙をあげ、全面戦争へと進んでいく。全宇宙を巻き込む戦いが脅威のスケールで放たれるSFアクション。
公開日: 3月15日(金)
監督: Denis Villeneuve
出演: Timothee Chalamet、Zendaya、Rebecca Ferguson
HP: warnerbros.co.jp/dune-movie
『12日の殺人』
『悪なき殺人』で話題を集めた Dominik Moll (ドミニク・モル) 監督がメガホンを取り、ポーリーヌ・ゲナのノンフィクション小説をもとにしたサスペンススリラー。10月12日の夜に女子大生のクララが焼死体となって発見された未解決事件を巡り、事件の闇に翻弄される刑事の姿を描く。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。クララの周囲の人間に聞き込みを進めると、関係者の男性全員がクララと関係を持っていたことが判明する。捜査を続けるも、決定的な証拠が見つからず未解決のまま闇に葬られてしまってから3年後、再び行われた捜査で明かされた真相とは。監督が最も好きな映画だと公言するアメリカのクライム映画『ゾディアック』を彷彿とさせる繊細な人間模様を表現した。難航する事件の渦に飲み込まれ、息を飲む結末は必見。
公開日: 3月15日(金)
監督: Dominik Moll
出演: Bastien Bouillon (バスティアン・ブイヨン)、Bouli Lanners (ブーリ・ランネール)、Theo Cholbi (テオ・チョルビ)
HP: 12th-movie.com
『ビニールハウス』
貧困のためビニールハウスで暮らすムンジョンは、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすことを夢見て訪問介護士として働いている。ある日、重い認知症を患った女性・ファオクを介護している途中、風呂場でフォアクが転倒して急死。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症である自身の母親をファオクの身代わりとして据えるが、さらなる取り返しのつかない事態を招くことに。本作は、『パラサイト 半地下の家族』でも注目を浴びた韓国の住居貧困という問題を取り扱ったサスペンスムービー。元々は農業施設であるはずのビニールハウスが、現在では正規の住宅を失った低所得者層、移民労働者の住処となっている深刻な社会状況を描いている。主演のムンジョン役には、人気ドラマ「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」の Kim Seo-Hyung (キム・ソヒョン) を抜擢。名門映画学校として知られる韓国映画アカデミーを卒業した経歴を持つ、新進気鋭の Lee Sol-hui (イ・ソルヒ) が初めて長編監督に挑戦。韓国の社会問題を力強く映し出す。
公開日: 3月15日(金)
監督: Lee Sol-hui
出演: Kim Seo-Hyung、Yang Jae-Sung (ヤン・ジェソン)、Shin Yeun Sook (シン・ヨンスク)
HP: mimosafilms.com/vinylhouse
『π』
『ブラック・スワン』『ザ・ホエール』の Darren Aronofsky (ダーレン・アロノフスキー) 監督が1998年に発表した長編デビュー作が、デジタルリマスター版にてスクリーンに蘇る。常人離れしたIQと数学能力を持つ主人公マックス・コーエンは、自作のコンピュータで株式市場の予測を行っていた。世界のすべてを数式で説明できると信じている彼の前に不思議な数字が現れ、その数字の持つ魔力に徐々に取り憑かれていく。男の狂気を先鋭的なモノクロ映像で描き、サンダンス映画祭で最優秀監督賞、インディペンデント・スピリット賞で新人監督賞を受賞するなど高く評価された。サウンドトラックには Massive Attack (マッシブ・アタック)、Aphex Twin (エイフェックス・ツイン)、Roni Size (ロニ・サイズ) ら豪華アーティストが参加し、刺激的なテクノミュージックで物語を不穏な空気に包み込む。低予算で制作されたとは思えないほどの完成度と、観る人を虜にするような斬新な映像表現で、現在でも根強く愛され続ける作品。
公開日: 3月14日(木)
監督: Darren Aronofsky
出演: Sean Gullette (ショーン・ガレット)、Mark Margolis (マーク・マーゴリス)、Ben Shenkman (ベン・シェンクマン)
HP: gaga.ne.jp/pai
『i ai』
日本のロックバンド GEZAN (げざん) のフロントマンであり、小説執筆や映画出演、反デモの主催など幅広く活躍するマヒトゥ・ザ・ピーポーが、初の監督と脚本に挑戦。2022年の東京国際映画祭・アジアの未来部門にも正式に出品された本作は、監督自身の実体験をもとに、音楽に向き合う少年たちの青春が綴られている。主人公のバンドマン・コウ役には、オーディションで約3,500人の中から勝ち抜いた新星・富田健太郎を、主人公に大きな影響を与えるヒー兄には森山未來を抜擢。さらに永山瑛太、小泉今日子など、実力派俳優たちが顔を揃え、純文学のような作品を作り上げた。マヒト監督の繊細な詩と、彼のキーカラーである赤が象徴的な映像美に加え、劇中では GEZAN のメンバーによるライブシーンも収録されている。さらに撮影、衣装提供などの製作陣にはカルチャー界の重鎮らが参加し、音楽や文化への愛を捧げた。仲間と駆け抜けたかけがえのない時間を、優しく紡いだ作品。
公開日: 3月8日(金)
監督: マヒトゥ・ザ・ピーポー
出演: 富田健太郎、さとうほなみ、堀家一希
HP: i-ai.jp
『DOGMAN ドッグマン』
『レオン』などを代表作に持つ Luc Besson (リュック・ベッソン) 監督が、実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。ストーリーは、十数匹の犬を連れた女装男性・通称ドッグマンの半生を描いた物語。虐待を受け、犬小屋で育った彼の少年時代は暴力が全てだった。犬の存在に救われながら成長し、世間に馴染もうとするも、何度も裏切られ心に深い傷を負う。やがて愛する犬とともに、生きるために犯罪に手を染めるが、ギャングに目をつけられてしまう。主演は『ゲット・アウト』で知られる Caleb Landry Jones (ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ) が務め、圧倒的な存在感を表現。犬を愛し、人間を信じようとした悲しきダークヒーローの結末を、ぜひ見届けてほしい。
公開日: 3月8日(金)
監督: Luc Besson
出演: Caleb Landry Jones、Jojo T. Gibbs (ジョージョー・T・ギッブス)、Christopher Denham (クリストファー・デナム)
HP: klockworx-v.com/dogman
『ゴールド・ボーイ』
中国を中心にアジアで話題を呼んだズー・ジンチェンの小説「悪童たち」を原作に、舞台を沖縄に移して映画化。主演は岡田将生、そしてキャストには黒木華、北村一輝など豪華俳優陣が集結し、殺人犯と少年たちが繰り広げる心理戦の行方を描いた。岡田演じる実業家の婿養子・東昇は、ある目的のため、義理の両親を崖の上から突き落として殺害。それは完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女がその現場を偶然にもカメラでとらえてしまう。複雑な家庭環境や家庭の問題を抱える彼らは、東を脅迫し、大金を得ようと計画を立てる。殺人犯と少年たちの、二転三転する駆け引きの先に待ち受ける結果とは。3人の少年たちを演じるのは、『リボルバー・リリー』の羽村仁成、特撮ドラマ「王様戦隊キングオージャー」の星乃あんな、そして 『ラーゲリより愛を込めて』の前出燿志。新進気鋭の俳優たちの演技にも期待が寄せられる、注目のクライムサスペンス。
公開日: 3月8日(金)
監督: 金子修介
出演: 岡田将生、黒木華、羽村仁成
HP: gold-boy.com
『季節のはざまで』
優美な映像と不思議な感覚を与える虚構世界が特徴で、日本のミニシアターブームの火付け役となった Daniel Schmid (ダニエル・シュミット) 監督の作品が、初のデジタルリマスター版として復刻。スイスの山中の古いホテルで育った男性が、自身の少年時代を回想する姿を、監督自らの記憶を反映させながら綴ったドラマ。脚本は、監督の祖父母が経営していたホテルをもとに執筆され、エレベーターホール、レストラン、バーなど、隅々にまで目を奪われる甘美な世界を表現した。そんな美しいホテルを舞台に訥々と語られる彼の思い出は、誰もが大切にしまっている大切な記憶を呼び起こすだろう。キャストには、Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール) の『はなればなれに』などに出演歴を持つ Sami Frey (サミー・フレイ) が主人公の男性を務め、『ラ・パロマ』の Ingrid Caven (イングリット・カーフェン)、『海辺のポーリーヌ』の Arielle Dombasle (アリエル・ドンバール) など、映画界を盛り上げた名優たちの共演も本作の魅力のひとつだ。
公開日: 3月8日(金)
監督: Daniel Schmid
出演: Sami Frey、Ingrid Caven、Arielle Dombasle
HP: schmidfilms.jp
『52ヘルツのクジラたち』
2021年に本屋大賞を受賞した町田そのこの小説「52ヘルツのクジラたち」を、豪華キャストを迎え待望の映画化。主演の貴瑚役には杉咲花、トランスジェンダー男性という繊細な役には志尊淳、貴瑚の初めての恋人となる上司の役には宮沢氷魚を抜擢するなど、現在の日本映画界を代表する俳優陣が集結。『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』などで話題を呼んだ成島出が監督を務めた。自分の人生を家族に搾取されて生きてきた主人公の女性・貴瑚は、ある痛みを抱え東京から海辺の街へ引っ越す。そこで出会ったのは、母親から虐待を受け、声を発することのできない少年。貴瑚は少年と心を通わせるうちに、かつて自分を救ってくれた人物との過去を遡り始める。「52ヘルツのクジラ」とは、鳴き声があまりに高音のため他の鯨には聞こえず、世界で一番孤独といわれている鯨のこと。この鯨のように、深い孤独を抱えて生きる登場人物たちが、人と関わる豊かさや優しさに向き合うヒューマンドラマ。
公開日: 3月1日(金)
監督: 成島出
出演: 杉咲花、志尊淳、宮沢氷魚
HP: gaga.ne.jp/52hz-movie
『ARGYLLE/アーガイル』
『キングスマン』で一躍人気となった Matthew Vaughn (マシュー・ボーン) 監督による、スパイ・アクション映画の最新作。ストーリーは、作家のエリー・コンウェイと彼女が手がけるベストセラー小説「アーガイル」を巡って巻き起こるスパイ達との物語。エリーは愛猫と静かに生活していたが、彼女の小説が偶然にも現実のスパイ組織の行動と一致していたことが判明。エリーは移動中に命を狙われるが、エイダンと名乗るスパイに助けられる。エリーの空想の世界と現実の世界が混ざり合い、敵の一歩先を行くべく世界中を駆け巡るアクションが始まっていく。主人公のエリーを、映画監督 Ron Howard (ロン・ハワード) の娘として知られる Bryce Dallas Howard (ブライス・ダラス・ハワード) が演じ、彼女を助けるエイダン役を演じるのは、『グリーンマイル』といった名作からインディペンデント作品まで幅広く活躍する Sam Rockwell (サム・ロックウェル)。出会うはずのなかった2人の危険な旅路の行方をファンタジックに描いたフィクション。
公開日: 3月1日(金)
監督: Matthew Vaughn出演: Bryce Dallas Howard、Sam Rockwell、Bryan Cranston (ブライアン・クランストン)、Henry Cavill (ヘンリー・カヴィル)
HP: argylle-movie.jp
配給: 東宝東和
『水平線』
舞台は福島県のとある港町。震災で妻を失った井口真吾は、個人で散骨業を営みながら娘の奈生と2人で暮らしている。ある日彼のもとに、かつて世間をおびやかせた通り魔殺人事件の犯人の遺骨が持ち込まれ、井口は遺骨の扱いについて悩み、最終的にある決断を下す。本作のメガホンをとったのは、代表作に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』などが挙げられる俳優・小林且弥で、主演には『凶悪』で共演したピエール瀧を迎え、初の長編作品に挑戦。心に傷を抱える井口を、重厚な雰囲気で人間味豊かに演じきった。そんな彼の娘役を演じるのは、『青葉家のテーブル』に出演し、女優だけでなくアーティストとしても活動する新進気鋭の栗林愛希。遺骨を巡って葛藤を繰り返し、積年の思いをぶつけ合う親子の様子が描かれている。正しさについて自問しながら前へ進もうとする姿から、なにか大切なものを感じてほしい。
公開日: 3月1日(金)
監督: 小林且弥
出演: ピエール瀧、栗林愛希、足立智充
HP: studio-nayura.com/suiheisen
『愛のゆくえ』
14歳で母を亡くした孤独な少年少女・愛と宗介の、喪失から再生までを幻想的な世界観で表現。宗介の母は夫を亡くして心を病み、愛の母親がひとりで愛と宗介を育てていたが、ある日その母親が他界する。愛は父に連れられ東京に引っ越し、北海道に残る宗介と離れ離れに。悲しみにくれながら生きることを諦めない2人の成長を描く。内気な愛を演じるのは、『ちひろさん』をはじめテレビCMなどにも出演し、徐々に話題を集めている長澤樹で、窪塚洋介の息子として人気を博している窪塚愛流が宗介を演じる。本作は、宮嶋風花監督が高校生の頃に母親を亡くした実体験をもとに制作され、脚本の完成までに3年が費やされた。多感な年頃に監督自らが感じた複雑な気持ちに真正面から向き合い、赤裸々かつ繊細に表現。監督の慣れ親しんだ北海道を舞台に、自身の半自伝ともいえる青春譚。
公開日: 3月1日(金)
監督: 宮嶋風花
出演: 長澤樹、窪塚愛流、田中麗奈
HP: ainoyukue.official-movie.com
『コットンテール』
実力派として名高い俳優陣と、イギリスの新進気鋭 Patrick Dickinson (パトリック・ディキンソン) 監督がタッグを組み、東京とイギリスを舞台とした日英合作映画。キャストには主演を務めるリリー・フランキー、多彩な顔を持つ錦戸亮、『ぐるりのこと』でリリー・フランキーと共演し、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した木村多江が招かれた。物語は、リリー・フランキー演じる作家の大島兼三郎が亡き妻の願いを叶えるため、東京からイギリスの湖水地方へと向かう、ロードムービー仕立てのヒューマンドラマ。最愛の妻をなくし心を閉ざしたままの大島と、ずっと家族を顧みなかった息子を錦戸亮が演じる。贖罪や和解をテーマに、新たな一歩を踏み出す家族の心の軌跡を表現。切なくも愛おしい旅路が、美しい風景とともに映し出される作品。
公開日: 3月1日(金)
監督: Patrick Dickinson (パトリック・ディキンソン)
出演: リリー・フランキー、錦戸亮、木村多江
HP: longride.jp/cottontail
『落下の解剖学』
昨年に開催された第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンス。監督はフランスの新進気鋭 Justine Triet (ジュスティーヌ・トリエ) で、女性監督がパルムドール受賞に輝くのは本作で史上3作目となる。人里離れた雪山の山荘で起こった殺人事件の物語で、視覚障がいをもつ11歳の息子、転落死した父親、そして夫殺しの容疑をかけられた母親・サンドラの3人の家族を中心としたストーリー。事故の前日に夫婦喧嘩をしていたこと、目撃者が息子のみであることから、サンドラは周囲から疑いの目を向けられ、最初は無実を主張していた彼女だったが、次第に本当のことを語り始める。仲睦まじいと思われていた家族像からは想像のできなかった秘密や嘘とはなんだったのか。すべてが露わになっていく中で、登場人物の数だけ真実が隠されているという、最後まで予想できない展開を演出した。主人公サンドラを演じたのは、ヨーロッパ映画賞女優賞の受賞歴を持つ Sandra Huller (サンドラ・ヒュラー) で、ポーカーフェイスに隠された冷酷な人間性を巧みに表現。観る人の恐怖や緊張感を煽る演技力に注目だ。
公開日: 2月23日(金)
監督: Justine Triet
出演: Sandra Huller、Swann Arlaud (スワン・アルロー)、Milo (ミロ・マシャド・グラネール)
HP: gaga.ne.jp/anatomy
『コヴェナント 約束の救出』
『スナッチ』『シャーロック・ホームズ』シリーズで知られ、母国イギリスだけでなくハリウッドなど、世界中で人気を誇る Guy Ritchie (ガイ・リッチー) 監督の最新作。アフガニスタン問題とアフガン人通訳についてのドキュメンタリーから着想を得て作られた社会派ドラマだ。舞台は2018年のアフガニスタン。部隊を率いる米軍曹長のジョン・キンリーは優秀なアフガン人通訳アーメッドを雇い、アフガニスタンを実効支配するイスラム主義組織・タリバンの武器や爆弾の隠し場所を探していた。部隊は敵兵により全滅し、キンリーはアーメッドに救出され母国のアメリカに無事帰還。その後、自分を助けたためにアーメッドがタリバンに狙われていることを知ったキンリーは、彼を救うため再びアフガニスタンへ旅立つ。米軍兵士と現地通訳者という、国境や立場を超えた2人の絆が胸を打つ作品。
公開日: 2月23日(金)
監督: Guy Ritchie
出演: Jake Gyllenhaal (ジェイク・ギレンホール)、Dar Salim (ダール・サリム)、 Emily Beecham (エミリー・ビーチャム)
HP: grtc-movie.jp
『ソウルメイト』
香港の Derek Tsang (デレク・ツァン) 監督が手がけた『ソウルメイト 七月と安生』を、韓国・済州島に舞台を移して新たに映画化。幼い頃から親友だった2人の少女のすれ違いや絆を、切なくも温かい雰囲気で捉えた友情の物語。絵を勉強しながら世界中を旅したいという夢を抱く自由人のミソと、そんな彼女に憧れを抱きながらも堅実に生きることを願うハウン。性格も価値観も真逆な2人の幼なじみは、楽しい時もさみしい時もずっと一緒だった。そんな日々がずっと続くと思われたが、ある出会いをきっかけに2人の関係は急激に変化。互いのことを思い合いながらもすれ違い、やがて疎遠になって16年が過ぎたある日、ハウンはミソにある秘密を残し、こつ然と姿を消してしまう。ミソ役を演じるのは、大ヒットドラマ「梨泰院クラス」で注目を浴びた Kim Da-Mi (キム・ダミ) で、ハウン役には2014年にデビューを果たし、韓国ドラマ「ボーイフレンド」「花様年華 ~君といた季節~」などで活躍する Jeon So-nee (チョン・ソニ) を抜擢。2人の飾らない演技が映画に柔らかい雰囲気をもたらす。
公開日: 2月23日(金)
監督: Min Youg Keun (ミン・ヨングン)
出演: Kim Da-Mi、Jeon So-nee、Byeon Woo-Seok (ピョン・ウソク)
HP: klockworx-asia.com/soulmatejp
『ジャン=リュック・ゴダール 遺言 奇妙な戦争』
2022年に他界したフランスの名匠 Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール) の遺作となり、2023年カンヌ国際映画祭クラシック部門で上映された本作がついに日本上陸。『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』などが代表作に挙げられ、数多くのクリエイターに影響を与える Jean-Luc Godard。映画界から永遠に去る直前まで彼はこの短編映画に手を加え続けたといわれ、自身の手で書き、色をつけ、紙や文章をコラージュした。作中の音楽とサウンドトラックの切れ目には、本人の年老いた、それでも情熱を持ち続けた肉声を聞くことができる。自ら「最高傑作だ」と言わせしめた本作の全貌がスクリーンで明らかに。この貴重な機会は見逃せない。
公開日: 2月23日(金)
監督: Jean-Luc Godard
出演: Jean-Luc Godard
HP: godard-phonywarsjp.com
『ヴェルクマイスター・ハーモニー』
Jim Jarmusch (ジム・ジャームッシュ) 監督など、映画業界に強い影響を与えてきたハンガリーの鬼才 Tarr Béla (タル・ベーラ) による長編作が、4Kレストア版になって再上映。現代ハンガリー文学を代表する作家の1人 Krasznahorkai Lázló (クラスナホルカイ・ラースロー) の小説「抵抗の憂鬱」をもとに、モノクロで表現した。本監督が過去に手がけた『サタンタンゴ』も同作家の作品が原作であり、2人は映画監督と脚本家という立ち位置で数回コラボレーションを果たしている。舞台はハンガリーの荒涼とした田舎町で、天文学が趣味の郵便配達員ヤーノシュは、音楽家の老人・エステルの身の回りの世話をしている。ある日、町の広場に移動サーカスと見世物である巨大クジラが姿を現す。住人たちは扇動者に煽られるように広場に集まり、町中に暴力と破壊の渦を巻き起こす。狂った世界の無秩序、崩壊をラディカルな目線で映し出した、色褪せない名作。
公開日: 2月24日(土)
監督: Tarr Béla
出演: Lars Rudolph (ラルス・ルドルフ)、Peter Fitz (ペーター・フィッツ)、Hanna Schygulla (ハンナ・シグラ)
HP: bitters.co.jp/werckmeister
『ボーはおそれている』
『ミッドサマー』『ヘレディタリー 継承』などを手がけ、カルト的人気を誇る鬼才 Ari Aster (アリ・アスター) 監督と、『ジョーカー』でアカデミー主演男優賞に輝き、世界中から注目を浴びた Joaquin Phoenix (ホアキン・フェニックス) がタッグを組んだミステリー作品。日常のささいなことでも不安になってしまう怖がりの男ボーは、つい先ほどまで電話で会話していた母が突然、怪死したことを知る。母のもとへ駆けつけようとアパートの玄関を出ると、そこはもう「いつもの日常」ではなかった。実家へ帰る道中、彼の身に奇怪なことが次々と降りかかり、現実なのか妄想なのか分からない世界で、ボーの里帰りは壮大な旅へとなっていく。ロードムービーのようなミステリーのような、ジャンルレスでどこか不気味な雰囲気を放ち、Ari Aster らしい意表をつくようなラストにも注目。
公開日: 2月16日(金)
監督: Ari Aster
出演: Joaquin Phoenix、Nathan Lane (ネイサン・レイン)、Amy Ryan (エイミー・ライアン)
HP: happinet-phantom.com/beau
『ザ・パイロット』
舞台は1941年、人類史上最悪の戦闘と呼ばれる第二次世界大戦で起こったドイツとソ連との戦いを描いた実話戦争アクション。ソ連軍の空軍パイロット・ニコライは、ナチスドイツ軍の主力戦闘機の軍と激しい空中戦になり、雪原に不時着すると、そこはナチス占領地帯のど真ん中だった。ナチスの執拗な捜索部隊と凶暴な狼の群れに追われながら、極寒の森林地帯を進み自軍基地に戻ろうとする、命をかけた逃避行が描かれている。この物語は、重傷を負いながらもナチス部隊の追跡を逃れ、パイロットとして再起したソ連軍の兵士もとに作られ、現代の映像技術を持って再現された。スリリングな空中戦と雪の中でのサバイバル劇に迫真のリアリティが込められた、緊張感あふれる演出。
公開日: 2月16日(金)
監督: Renat Davletyarov (レナト・ダヴレチャロフ)
出演: Pyotr Fyodorov (ピョートル・フョードロフ)、Anna Peskova (アンナ・ペスコワ)、Pavel Osadchy (パベル・オサドチー)
HP: ttcg.jp/movie/1051500
『テルマ&ルイーズ』
『ブレードランナー』『オデッセイ』で知られる Ridley Scott (リドリー・スコット) 監督が1991年に発表し、「1990年代の女性版アメリカン・ニューシネマ」と評されたロードムービーが、監督自身の監修により4Kレストア版になってリバイバル公開。Tim Burton (ティム・バートン) 監督の『ビートルジュース』など出演歴を持つ Geena Davis (ジーナ・デイビス) がテルマを、1970年に映画デビューを果たし『ロッキーホラーショー』出演をはじめ着実にキャリアを重ねてきた Susan Sarandon (スーザン・サランドン) がルイーズをそれぞれ演じ、2人は本作で主演女優賞にノミネートされた上、キャリア初期の Brad Pitt (ブラッド・ピット) も起用されているなど、当時の魅力が残る演技にも目が離せない。主婦のテルマとウェイトレスのルイーズの波瀾万丈な旅路を描いたストーリーで、息ぴったりな2人と、「女性の正義」という現代にも通ずるテーマを掲げ、色褪せない名作として世界中で高い評価を得ている。性的被害を受けたトラウマを抱えながらも問題に向き合い、自分らしく生きることに目覚めていくテルマとルイーズの姿が、すべての人を前向きな気持ちにさせてくれるはず。
公開日: 2月16日(金)
監督: Ridley Scott
出演: Geena Davis、Susan Sarandon、Harvey Keitel (ハーベイ・カイテル)
HP: unpfilm.com/thelma_louise
『カラー・パープル』
Steven Spielberg (スティーブン・スピルバーグ) 監督が1985年に手がけた名作映画『カラーパープル』が、ミュージカルとして生まれ変わって登場。主人公のセリー役にはブロードウェイ版でも同役を演じた Fantasia Barrino (ファンテイジア・バリーノ) を抜擢し、昨年公開された実写版『リトル・マーメイド』でアリエル役を務めた Halle Bailey (ハリー・ベイリー) など、豪華キャストによりさらにパワーアップした。ストーリーは、自分らしくあろうと強い一歩を踏み出す女性たちの生き様を描いている。主人公は横暴な父に虐待され、望まぬ結婚のせいで自由のない生活を送っていた。最愛の妹とも生き別れ悲しみに暮れていた時、自立した女性2人に出会う。2人の型破りな生き方に感銘を受け、セリーは少しずつ自尊心を取り戻し、ついに家を出ることを決意。不屈の精神とユーモアで人生を切り拓いていく姿とそのパワフルな歌声は、観る人に希望を与えるはず。
公開日: 2月9日(金)
監督: Blitz Bazawule (ブリッツ・バザウーレ)
出演: Fantasia Barrino、Halle Bailey、Taraji P. Henson (タラジ・P・ヘンソン)
HP: warnerbros.co.jp/colorpurple
『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』
18世紀フランス・ヴェルサイユ宮殿で、59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの、波乱に満ちた生涯を映画化。彼女は貧しい家庭で生まれながらも、その美貌と知性でたちまち社交界のスターになり、国王ルイ15世と恋に落ちる。やがて国王の公式の愛人・公妾となるが、その階級の違いや、王太子妃であるマリー・アントワネットの存在により、窮地に追い込まれるジャンヌ。2人の運命を巡って複雑化する、当時のフランス宮廷の実態を描いたドラマ。撮影は実際に舞台となったヴェルサイユ宮殿で行われ、衣装は CHANEL (シャネル) が大々的にサポート。ジュエリー提供のほか、本作のためにデザインされた美しいドレスが多数登場するなど、リアルを追求したラグジュアリーな世界観を再現。映画『レオン』に出演し、近年では監督や脚本としての顔も持つ Maiwenn (マイウェン) が監督・脚本・主演を務め、Johnny Depp (ジョニー・デップ) が全編フランス語でルイ15世を演じた。
公開日: 2月2日(金)
監督: Maiwenn
出演: Maiwenn、Johnny Dep、Benjamin Lavernhe (バンジャマン・ラベルネ)
HP: longride.jp/jeannedubarry
『夜明けのすべて』
『そして、バトンは渡された』などで知られる小説家・瀬尾まいこの同名小説を、『ケイコ 目を澄ませて』で国内外から脚光を浴びた監督・三宅唱が映画化。NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で夫婦役を演じた松村北斗と上白石萌音がW主演を務める。月に一度 PMS (月経前症候群) のせいでイライラを抑えられなくなる藤沢さんは、会社の同僚である山添くんのある行動をきっかけに怒りを爆発させてしまう。転職してきたばかりでやる気のなさそうに見える山添くんだったが、そんな彼もまたパニック障害を抱えていた。それぞれの問題を抱える2人が、自分と向き合いながらも助け合って生きていこうとする。松村北斗と上白石萌音が演じる、恋人でも友人でもない名前のない関係が不思議と心地よい空気感を生む、等身大の人間ドラマ。
公開日: 2月9日(金)
監督: 三宅唱
出演: 松村北斗、上白石萌音、渋川清彦
HP: yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp
『瞳をとじて』
代表作に『ミツバチのささやき』が挙げられるスペインの名匠 Victor Erice (ビクトル・エリセ) が、第76回カンヌ国際映画祭にて31年ぶりに長編作品を発表。元映画監督と失踪した人気俳優の記憶を巡って繰り広げられるヒューマンミステリー。映画『別れのまなざし』の撮影中に主演俳優フリオが失踪した。その22年後、元映画監督でありフリオの親友であったミゲルは彼の行方を追うTV番組から証言者として出演依頼を受け、ミゲルは取材に協力し、彼との青春時代そして自らの半生を追想する。番組が終了した後、ミゲルを見たという一通の手紙が寄せられ、物語はラストへと向かっていく。『コンペティション』などに出演した Manolo Solo (マノロ・ソロ) がミゲルを、主にスペインで活躍し、さまざまな賞の受賞歴もある Jose Coronado (ホセ・コロナド) がフリオをそれぞれ演じた。未完のフィルムを発端にアイデンティティと記憶という2つのテーマを掲げ物語が進んでいく中で、映画は我々になにを語りかけるのか。自身の経験も交えながら監督自らが脚本も手がけた、Victor Erice の集大成。
公開日: 2月9日(金)
監督: Victor Erice
出演: Manolo Solo、Jose Coronado、Ana Trrento (アナ・トレント)
HP: gaga.ne.jp/close-your-eyes
『哀れなるものたち』
アカデミー賞9部門10ノミネートを果たした映画『女王陛下のお気に入り』の Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス) 監督と Emma Stone (エマ・ストーン) が再びタッグを結成。昨年開催されたベネチア国際映画祭では、コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞し、世界中で高い評価を受けている。原作は、スコットランドの作家 Alasdair Gray (アラスター・グレイ) の同名ゴシック小説で、Emma Stone 演じる若い女性ベラの成長物語だ。ベラは自殺未遂を犯すが、風変わりな天才外科医によって奇跡的に蘇生。彼女は「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられ、大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の脳を持つベラは、純粋な視点で世界に触れ自我を形成していく。Emma Stone が主演だけでなくプロデューサーも担い、天才外科医役には『スパイダーマン』シリーズや、Wesley Anderson (ウェス・アンダーソン) 監督の作品にも数多く出演する俳優 Willem Dafoe (ウィリアム・デフォー) を抜擢するなど、注目の一作。
公開日: 1月26日(金)
監督: Yorgos Lanthimos (ヨルゴス・ランティモス)
出演: Emma Stone (エマ・ストーン)、 Mark Ruffalo (マーク・ラファロ)、Willem Dafoe (ウィレム・デフォー)
HP: searchlightpictures.jp/movies/poorthings
『コット、はじまりの夏』
舞台は1980年代初頭のアイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす寡黙な少女コットは、夏休みを親戚夫婦のもとで過ごす。緑豊かな農場での慣れない生活にはじめは戸惑うコットだったが、夫婦の愛情を受け穏やかな生活を続けるうちに、これまでは経験したことのなかった生きる喜びを実感していく。9歳の主人公コットを、本作がデビュー作となる Catherine Clinch (キャサリン・クリンチ) が圧倒的な表現力と透明感を持って演じ、アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞の主演女優賞を史上最年少の12歳で受賞。アイルランドで活躍する小説家 Claire Keegan (クレア・キーガン) の小説『Foster』を原作に、子どもの視点や家族の絆を描くドキュメンタリー作品を数多く手がけてきた監督 Colm Bairead (コルム・バレード) が初の長編劇映画監督・脚本に挑戦している。
公開日: 1月26日(金)
監督: Colm Bairead (コルム・バレード)
出演: Catherine Clinch (キャサリン・クリンチ)、Carrie Crowley ( キャリー・クロウリー)、Andrew Bennett (アンドリュー・ベネット)
HP: flag-pictures.co.jp/caitmovie
『PERFECT DAYS』
『パリ、テキサス』『ベルリンの詩』などで知られ、ドイツの映画界を牽引してきた Wim Wenders (ヴィム・ヴェンダース) が、役所広司を主演に迎えた最新作。今年のカンヌ国際映画祭では、役所が日本人俳優として2人目となる男優賞を受賞したことからも注目を浴びる。撮影は日本で行われ、東京・渋谷区内のトイレを世界的建築家やクリエイターが改修するプロジェクトに監督が賛同したことから、実際に改修が行われた渋谷区内の公共トイレを舞台に選んだ。トイレの清掃員をする平山の、取り止めのないが小さな喜びに満ち溢れた日常を描くストーリー。音楽を聴くこと、中古の文庫本を買うことが趣味の平山が、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、閉ざされていた少しずつ過去が明らかになる。人間の内面に焦点を当て、日々の小さな揺らぎを繊細に捉えたドラマ。
公開日:12月22日(金)
監督: Wim Wenders (ヴィム・ヴェンダース)
出演: 役所広司、柄本時生、アオイヤマダ
HP: perfectdays-movie.jp
『枯れ葉』
監督引退宣言をしたフィンランドの名匠 Aki Kaurismäki (アキ・カウリスマキ) が5年ぶりにメガホンをとり、待望の新作を公開。孤独を抱えながら生きる男女が、かけがえのないパートナーを見つけようともがく姿を捉えたラブストーリーで、自身の3作品『パラダイスの夕暮れ』『真夜中の虹』『マッチ工場の少女』からなる“労働者3部作”の4つ目として発表された。貧しい生活の中で、愛や喜び、人間としての誇りを失わない労働者をありのままに映し出す。フィンランドの首都ヘルシンキの街で、理不尽な理由で失業したアンサと、酒に溺れながらも工事現場で働くホラッパは、互いの名前も知らぬ間に惹かれ合う。過酷な現実に引き裂かれた2人は果たして再会できるのか。監督のミューズであったKati Outinen (カティ・オウティネン) を彷彿とさせる Alma Poysti (アルマ・ポウスティ) の演技にも目が離せない。
公開日: 12月15日(金)
監督: Aki Kaurismäki (アキ・カウリスマキ)
出演: Alma Poysti (アルマ・ポウスティ)、Jussi Vatanen (ユッシ・バタネン)、Janne Hyytiäinen (ヤンネ・フーティアイネン)
HP: kareha-movie.com