Marc Jacobs
with Mikako Ichikawa

市川実日子のエモーショナルな (非) 日常 〜 vol.3

Marc Jacobs
with Mikako Ichikawa

model: mikako ichikawa
photography: hiroko matsubara
styling: junko kobashi
hair & make up: hiroko ishikawa
food styling: kaoru
edit & text: miwa goroku

TFPとしては約2年半ぶりの再会となった9月某日、多忙なドラマ収録の合間を縫って、市川実日子はスタジオに姿を現した。日常を取り戻しながらも、1年前とは違う景色が広がる2020年秋。おしゃれして出かける先はないけれど、だからこそ着てみたくないですか、思い切りグラマーなドレスたち。そんな提案から実現した女優・市川実日子のファッションストーリーを、ショートインタビューとともにお届け。(第3回/全5回)

Marc Jacobs
with Mikako Ichikawa

市川実日子のエモーショナルな (非) 日常 〜 vol.3

ミニマルな個性。ジャケット ¥201,000、スカート ¥100,000、ヘッドスカーフ (参考商品)、シューズ (参考商品)/すべて MARC JACOBS (マーク ジェイコブス)

MARC JACOBS (マーク ジェイコブス) の今秋冬のショーは、Karole Armitage (キャロル・アーミテージ) が率いるダンスカンパニー Armitage Gone! (アーミテージ・ゴーン!) とのコラボレーションだった。激しく踊るダンサーたち、縦横無尽に歩きまわるモデルたち…… 彼らが着ていたのは、ダブルフェイスカシミヤのセットアップやコートなど、一見ショーの演出とは相入れないクラシックでミニマルなコレクションだ。そこに三角巾のようなヘッドスカーフなど、さらに意表を突くアクセサリーやディテールが加わって、MARC JACOBS のウィットの効いたスタイルは完成する。

そんな最新の MARC JACOBS のセットアップを着て、市川実日子に今回演じてもらったのはメランコリックなムード。ヘッドスカーフを頭に巻いて、フルーツを切って。家の中で過ごすシチュエーションに没入するうち、おのずと思い出すのはステイホーム中のことだ。

「今までやりたかったけどできなかったことをやってみようと思って、自粛中はパンをつくったり、糠床をはじめたり。そうするうち、心が軽やかになっていたんです。自分で何かを作るという実感や、いい菌が多幸感を与えてくれたのかもしれません。いつも撮影がはじまる前などは、緊張や気持ちの高まりから体をぎゅっと固めてしまう癖があるのですが、この時はとても柔らかくなっていて。固めずこの柔らかさを持ったまま仕事を再開したいなと、自然と考えていました。忙しい日々が戻ってきていますが、あの期間中に得た感覚を手離さずに、柔らかくあり続けたいなと思うこの頃です」