松本貴子監督による草間彌生と山口小夜子のドキュメンタリー映画2作品がトップミュージアムで同時上映決定

2016年9月3日にリニューアルオープンした東京都写真美術館 (以下、トップミュージアム) が、開館20周年を記念して松本貴子監督による草間彌生と山口小夜子のドキュメンタリー映画を2作品同時に上映中だ。

アートとファッションの分野でいち早く、世界に羽ばたいた2人とかねてから親交のあった松本監督。今回上映されるのは、『≒草間彌生 わたし大好き』と『氷の花火 山口小夜子』の2作品。『≒草間彌生 わたし大好き』は、世界の美術界を疾走する草間を、1年半もの間追い続けた作品。今まで観ることのなかった草間の創作活動と日常や、自信に満ち溢れた彼女の凛とした精神の高み、時に見え隠れする人間味あふれる表情と仕草など、「生」と「死」と「愛」のせめぎ合いの中から湧きあがる彼女が持つ芸術の真髄を捉えた作品である。

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『氷の花火 山口小夜子』は、70年代初頭、 日本人であることを武器にたった一人で世界に闘いを挑んだ山口小夜子。黒髪に切れ長の瞳で世界中の一流ファッションデザイナー、トップクリエイターを虜にした彼女と、交友のあった松本が、彼女と親交のあった人々の証言を集め、残された貴重な映像に触れながら、山口小夜子の本来の姿に迫る作品である。この作品は、2015年度日本映画ペンクラブ文化映画部門第1位、第25回日本映画評論家大賞 ドキュメンタリー賞を受賞している。また、本作は現在カナダ・モントリオールで開催中の第40回モントリオール世界映画祭で、ドキュメンタリー部門に正式招待作品として決定している。

この上映に関して、松本監督は以下のように喜びを述べている。

「60年代に日本を飛び出しニューヨークで名を馳せた前衛芸術家の草間彌生さん。そして、70年代アジア人初のトップモデルとしてパリで大活躍した山口小夜子。世界を舞台に闘った二人の日本人女性との出会いは、強烈でした。奇しくも同じおかっぱ髪。私は、映像という分野で関わることが、運命だと感じました。加えて言えば、二人とも“本物”。ドキュメンタリー映画の制作過程には、辛いことも沢山ありましたが、それを上回る掛け替えのない幸せな時間を、味わい尽くすことが出来ました。今回、トップミュージアムで2作品を同時上映出来ることは、この上ない喜びです。異彩を放つ二人の表現者の生き方が、多くの方々の記憶に残ることを願って。天才と美しい女は、見飽きない」

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＜プロフィール＞
松本貴子 (まつもと たかこ)。「第6回ぴあフィルムフェスティバル」入選をきっかけに映像の世界へ。 山口小夜子とは、1987 年にファッション通信『山口小夜子特集』で知り合い、NHK BS2『世界わが心の旅 ベルベルの少女の瞳』のモロッコロケで親交を深め、以来亡くなるまで交流を持ってきた。 前衛芸術家・草間彌生とは 20 年来の親交を結び、映画、テレビ番組、展示映像等、数々の映像作品を制作。「世界が私を待っている 前衛芸術家草間彌生の疾走」(ギャラクシー賞選奨/衛星放送協会オリジ ナルアワード最優秀賞)「NHK スペシャル 水玉の女王 草間彌生の全力疾走」(アメリカ国際フィルム・ビ デオフェステバル Creative Excellence 賞/NY フェスティバル入選) 等受賞作多数。