アイスランドの自然と人々の記録、写真家・宮本武の初写真集『スペクトラム』

ジェンダーや自然をテーマに作品を手がけている宮本氏は、アメリカ、香港、オーストラリアでの海外生活を経て、現在はフランスを拠点に活動中。Les Chroniques Purple ではパリにあるブローニュの森の自然の風景を一年にわたって撮影。最近では AIGLE (エーグル) と more trees (モア・ツリーズ／坂本龍一が代表を務める森林保全団体) とのコラボレーションTシャツの写真を撮ったり、雑誌『TRANSIT』では旅の写真家としても活躍している。

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「アイスランドでは、とても自然体で、あるがままを生きる男性たちと出会うことができました。彼らは伝統的なマッチョや強さに凝り固まることなく、脆さや傷心といった心の弱さも共有してくれるのです。男性として生まれるが故に押し付けられる社会文化的イメージに囚われることのない、本来の自分。 心の中で探していた自分らしさがその地で見つかるかもしれない。そう思いながらアイスランドの虹を追いかけて、長い時間をかけて作品を撮りました」と宮本氏。

世界の男女平等ランキングでは長年１位を誇るアイスランドは、ジェンダーに縛られない男女平等の機会が与えられている。「一人ひとりの個性が認められ、自由に自己表現できる社会のなかで、平等意識はアイスランド人の精神に深く浸透していると思います。彼らが私の写真プロジェクトを大らかに受け入れてくれた理由がその点にあるかもしれません」。

アイスランドが持つ、息をのむほどに美しい自然にも注目だ。「アイスランド人は、自身の陽の部分と陰の部分を併せ持ち、そのままの姿を崩さずに生きている気がします。 心の明るさも暗さもすべて受け入れる社会。そうした人々の心の奥深くに灯っている深みのある多様な光を写したいと思い、作品を撮りました」。

あるがままの姿を包み込んでくれるような、アイスランドの多様な光が詰まった1冊。日本のモーションギャラリー では9月18日まで、アイスランドの KAROLINA FUND (英語) では 10月10日まで、クラウドファンディングを受付中。用意されているリターン内容はリンク先をチェック。