Exhibition; 'SPOT : Yoshihisa Tanaka' At POST

POST (ポスト) が、デザイナー田中義久によるブックデザインにフォーカスを当てた展覧会「SPOT」を開催

Exhibition; 'SPOT : Yoshihisa Tanaka' At POST
Exhibition; 'SPOT : Yoshihisa Tanaka' At POST
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POST (ポスト) が、デザイナー田中義久によるブックデザインにフォーカスを当てた展覧会「SPOT」を開催

Exhibition; 'SPOT : Yoshihisa Tanaka' At POST

by Mikiko Ichitani

恵比寿のブックストア POST (ポスト) が、ブックデザインの背景にあるコンセプトや、デザイナーと作家間の協働作業について紹介し、本作りにおけるデザイナーの役割やブックデザインについて伝える展覧会「SPOT」を開催。第3回目となる今回は POST のアートディレクションも手がける田中義久のブックデザインに焦点を当てる。

一冊の本ができあがる過程で、デザイナーは本の仕上がりを決定づける大きな役割を担っている。しかし、本を作る上でデザイナーがどういった役割を担っているのか、仕上がった本を手に取る私たちにはその仕事の一部しか見ることができない。恵比寿のブックストア POST (ポスト) が定期的に開催する展覧会「SPOT」は、毎回一組のデザイナーにフォーカスし、彼らがデザインした本を展示するとともに、インタビューを通じてそれぞれのブックデザインの背景にあるコンセプトや、デザイナーと作家間の協働作業について紹介し、本作りにおけるデザイナーの役割やブックデザインについて伝える展覧会となっている。

「SPOT」の第4回目となる今回は、デザイン誌 『idea』の最新号 「idea No.381 越境の遍歴 田中義久のパースペクティブ」刊行に合わせ、POST のアートディレクションも手がける田中義久のブックデザインに焦点を当てる。1980年生まれの田中は、インディペンデントな出版社やギャラリーの写真集、アートブックのデザインをはじめ、さまざまな企業、イベント、プロジェクトのアートディレクションを行い、そのほとんどに企画構想や運営のレベルからかかわっている。田中のように受注制作を越えた 自主的「生産」を行うデザイナーのあり方は、2000年代以降欧米を中心に見られる世界潮流のひとつであり、出版やアートのような文化領域周辺において顕著だ。最新号の『idea』では、日本において独自の実践を展開していったデザイナーのひとりである田中の作品を包括的に並べることで、それぞれの実践の背景にある思想や文脈を通じて現在のデザインの可能性を批評的に捉えている。さらに、先行世代や同世代のデザイナーのコメントや協働する編集者の論考など複合的な視点を通じ、田中義久の実践に潜む構造の一端を明らかにする。

会場では、これまでに手がけてきたアートブック60点以上を一堂に展示。すでに絶版となっているタイトルも展示、そのうちの一部は販売もされる。会期中にはトークイベントの開催や、本展に合わせ部数限定で制作された特別仕様の idea 381号も販売を予定しているとのこと。書籍と合わせてグローバルな視点で新たなデザイナーのロールモデルとして注目される田中義久の作品群に触れて見るのはいかがだろう。

idea No.381 越境の遍歴 田中義久のパースペクティブ

idea No.381 越境の遍歴 田中義久のパースペクティブ

イベント情報
イベント名 SPOT : Yoshihisa Tanaka
作家 田中義久
会期 3月13日(火)〜4月8日(日)
場所 POST
住所 東京都渋谷区恵比寿南2-10-3
営業時間 12:00~20:00
定休日 月曜日 (3/23(金) – 3/25(日)はイベントのため閉廊)
協力 アイデア編集部
HP post-books.info